まだ、途中

途中です。働いてラジオ聴いて日記書いてます。@madatotyuu

10月19日(水)

今日はダウ90000第4回演劇公演「いちおう捨てるけどとっておく」千秋楽を観に行く日。昨日から気合を入れて服を選び、アンリアレイジのブラウスを着た。dcgを聴きながら出勤。

仕事をそれなりに終え12時過ぎに退社、今日のために午後休みにしていた。ラーメンを食べ、サーモンピンクとレンガ色の中間色のワンカラーのネイルをしてもらった。ベローチェ、ジョナサンをはしごして日記の編集。11月24日まで収録することにしたので納品はギリギリになる。できるだけ直近まで載せたかったし、去年の11月24日から日記を書き始めたのでそうするべきだと感じた。

18時半頃新宿シアタートップスへ向かう。第3回公演以来だ。ちょうど真ん中の席で見やすく、周りの人もよく見渡せた。大学生くらいの人からスーツを着た会社員、何をしてるかわからないおじさんまで、色んな人が今日この日のために時間を作って集まっている空間に胸がいっぱいになる。配信で観られるようになったけど、現場に行く意味は大きい。暗転前のBGMが平賀さち枝とホームカミングスの「白い光の朝に」で、私のための話が今から始まる、と思った。

舞台は予備校、その社員とバイトと浪人生の話。予備校に通い、予備校でバイトしていたので表に出す赤本やラミネートのリアリティには頷きながら見ていた。冒頭、学歴について心配になる程いじっていたが、それが大きな振りとなり、でも、そこじゃないよねって着地しているような、していないような、全てを煙に巻いたような閉じ方が綺麗だった。それは女達のいざこざの収め方にも似ている。全てがクリアになることはないけど、少しずつマシになるという実感。会話のリアルさもそうだけど、着地点も非常に現実的に感じた。

学歴なんて関係ないと思いつつ、私も気にしている。今日の劇でも、セットの表に自分の出身大学の赤本が並べられていることに安心したし、冒頭の某大学の所でいち早く笑った。学歴を話題にするのは人の深い所を抉るから、注目を浴びるこのタイミングで、大学名をバンバン出して具体的に話題にする勇気がすごいと思う。固有名詞を使い具体的に描写することで逆に抽象的になり、多くの人の心に響いたんじゃないか。終わり方を決めているからできるのだろうけど、観客への信頼を感じる。

女達の「なんでもないこと」にしていた時間が決壊する様はホラーのようでもあり、どこまでもリアルだった。居心地の悪さがこちらまで伝わってくる女の子4人の演技が素晴らしい。一つも不自然な台詞がなかった。蓮見さんはどうしてこれが描けるのですか。

これまでダウ90000は同世代の人のある一日を描いていたが、今回は10歳くらいの年齢差のある人々の複数日に渡った劇だった。何日間が描くことで、決壊するまでの積み重ねに説得力が増す。新たな試みも良かったが、とにかく会話がすごい。会話だけで90分見ていられる。蓮見さんは坂元裕二みたいになると思っているけど、本当にそうかもしれない。

素晴らしい公演だった。見終わった後、下手くそでもコミュニケーションを取ろうと頑張ってるやつの方がかわいいし、そっち側の人間になりたいと思った。コンビニの前に座っていた銀髪刈り上げのお兄さんも、見た目が怖いだけで優しい人かもしれない。観た後、自分の生活の見え方が少し変わる。

書いてて長くなっちゃったけど、BGMでエボリューション流れたのもおもしろかったし、皆物を食べすぎでウケたし、しばらく抜け殻になったように音楽も聴かずぼうっとしていた。生きてて良かったなあ、1年に2回演劇公演やってくれるなら、私はこの先楽しみに生きていけるかもと思った。本多劇場のチケット頑張ってとる。ダウ90000がおもしろいこと、世間に受け入れられて人気なこと、仕事を選べていること、蓮見さんがこの先も今日見た客に来て欲しいと思ってくれていること、遠くを見ていること、全部最高、愛です。

胸がいっぱいのまま家に帰って、水曜日のダウンタウンで1000万円受け取らせようとする尾形と根建に少し泣く。1時前には就寝する。