まだ、途中

途中です。働いてラジオ聴いて日記書いてます。@madatotyuu

7月4日(火)

高瀬隼子さんの『いい子のあくび』面白かった...!少しだけ読もうと思ったのに面白すぎて表題作は読み切ってしまった。高瀬さんの本に出てくる主人公はなんでこんなに私なんだよ...。完全に分かると読み進めて連れてこられた先がとんでもないからギョッとする。私もそうなりえたかもしれない。マルチバースの私はそうでしたね。

でも確かに、途中までは完全に私だと思うのに、あるラインを超えると流石にやりすぎじゃない?と感じる。流石にやりすぎだと感じるラインは人それぞれで、人によって違うから衝突が起きる。主人公にとってはラインがかなり手前にあって、それ以降は全て同じくらい悪としているんじゃないかと感じた。し、ラインが手前の人にとって東京は最悪の街だと思う。たまたま表出してしまった一点を捉えて断罪されるのは許せない。そうしたら私が我慢してきた日々のあれこれも、同じように断罪してくれよと思う気持ちは分かる。

私は男にわざとぶつかられたら、ぶつかった箇所を分かりやすく手で払うようにしている。汚れた気がするから。それくらいはしてもいいと思うのに、やってると自分が悪いことしてるみたいに感じる。他人の悪意に敏感だと、自分の悪意にも敏感になる。

「おいしいごはんが食べられますように」と同様に、我慢できる方が我慢しなければならないのか?その我慢の捌け口はどこに向かうのか?というのが語られていて良かった。ずっと描き続けて欲しいテーマだ。

高瀬さんの新作を読めて興奮した。